
古物営業所の責任者である管理者が交代した場合は、管轄の警察署へ変更届出を行う必要があります。この手続きは事後の届出に分類されますが、他の法人情報変更とは期限が異なる点に注意が必要です。
名称や代表者の変更など、履歴事項全部証明書を添付する変更の期限は20日以内ですが、管理者の変更は変更があった日から14日以内に届け出なければならないと古物営業法で定められています。新しい店長が決まって業務が落ち着いてから報告すればいいと考えていると、あっという間に期限が過ぎてしまいます。期限を過ぎると遅延理由書の提出を求められるほか、行政処分の対象となる可能性もあります。
管理者の選任要件と注意点
管理者は誰でもなれるわけではなく、古物営業法による選任要件を満たす必要があります。以下の点に留意してください。
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欠格事由に該当しないこと:未成年者、破産手続を受けて復権を得ない者、特定の犯罪歴がある者などは管理者になれません。
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専任の原則:原則として一営業所に一人の専任管理者を置く必要があります。他の営業所の管理者との兼任は認められません。
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管理の実態:管理者は営業所に常駐し、古物取引の適正を確保するための監督や指導を行う役割を担います。名目だけの登録(いわゆる名義貸し)や、通勤が困難な遠方に居住している場合は認められないことがあります。
必要書類と準備のポイント
管理者の交代時には、主に以下の書類を主たる営業所の管轄警察署に提出します。
- 変更届出書(警察署の窓口やWebサイトで取得できる規定のフォーマット)
- 住民票の写し(本籍地記載、マイナンバー未記載のもの)
- 市区町村長の発行する身分証明書(本籍地の役所が発行する「破産者でないこと等」の証明書)
- 誓約書(管理者本人が欠格事由に該当しない旨を誓約するもの)
- 略歴書(最近5年間の職歴・住所歴などを記載したもの)
特に市区町村長が発行する身分証明書は、本籍地がある役所から取り寄せる必要があります。2026年2月時点ではコンビニエンスストアなどで身分証明書は取得できないため、本籍地にある役所へ出向くか郵送で取得する必要があります。郵送期間を含めると手元に届くまで数日を要するため、管理者が決まった直後に手配を開始することが、14日という期限を守るための現実的な進め方です。
実務上、見落としがちなポイント
代表者が管理者を兼任している事業者さんもいらっしゃいますが、この場合、代表者としての変更届(20日以内)と、管理者としての変更届(14日以内)はそれぞれ独立した手続きとして判断されます。たとえ同一人物の変更であっても、役職に応じた届出が必要です。
また、管理者の氏名だけでなく住所に変更があった場合も、14日以内に届け出なければなりません。転勤や引越しに伴う住所変更も忘れがちなポイントです。
手続きの確認手順
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新しい管理者の就任日を確定し、そこから14日後の期限を把握する
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新管理者の本籍地を確認し、直ちに住民票と身分証明書の取り寄せを指示する
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他の営業所と兼任になっていないか、通勤圏内に居住しているか等の実態を再確認する
管理者の変更が発生した際は、期限を徒過する前に早め早めの準備が大切です。
自社での対応が難しい場合は、許認可手続きの専門家である行政書士へ依頼することをご検討ください。









