中古車を使用してレンタカー業を行うには


レンタカー業を行うのには、自家用自動車有償貸渡業という許可を国土交通大臣より受けなければなりません。

レンタカー業を始めたいと思う方は、自家用自動車有償貸渡業の許可を取得さえすれば営業ができるとお考えになるのではないでしょうか。新車だけを使ったレンタカー業を経営するには、自家用自動車有償貸渡業許可のみを取得すれば足ります。

しかし、中古車を使ってレンタカー業を行う場合はどうでしょう。中古品を買い取って営業をする場合に該当するため、古物商許可も必要になります。

古物営業法 第二条第2項

この法律において「古物営業」とは、次に掲げる営業をいう。

古物を売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換する営業であつて、古物を売却すること又は自己が売却した物品を当該売却の相手方から買い受けることのみを行うもの以外のもの

古物の売却のみを行う場合と、自分が売却したものをその相手から買い戻すことだけを行う場合以外は、古物営業になるということです。古物の買取があれば、レンタルするのであってもそれは古物営業になるのです。

中古品の購入時に、転売やレンタル等、事業としての目的がある場合は、古物商許可が必要になるのです。

従って、中古車を使用してレンタカー業を行う場合は、レンタカー業の許可のみでなく、古物商許可も必要になるのです。

2つの許可の申請先が異なります

レンタカー業を行うには国土交通大臣の許可が必要で、申請先は主たる事務所を管轄する都道府県の運輸支局になります。

一方、古物営業を行うには都道府県公安委員会の許可が必要で、申請先は主たる営業所を管轄する警察署になります。このように全く異なる許可なのです。

どちらから申請すればいい?

レンタカー業の営業を始めるには前述のとおり両方の許可を取得していることが必要です。片方の許可が下りていてももう片方の許可が下りていなければ当然営業を開始することはできません。

できるだけ同時期に許可を取得するには、どうすればいいでしょうか。

レンタカー業許可の審査にかかる期間は、運輸支局内の審査が順調に進んだ場合1ヶ月とされています。一方古物商許可は概ね40日とされています。この40日の審査期間は、土日祝日を除いた平日40日になりますので、管轄警察署が申請書を受理してから2か月弱と考えて頂ければよいでしょう。

従って、古物商の方が審査に時間がかかります。そのことを考慮すると先に古物商の許可申請をして、その後にレンタカー業の申請ができるように準備を進めていけばよいのではないでしょうか。

特に何も考えずにレンタカー業を先に申請してしまうと、レンタカー業の許可は取得できたのに、古物商の許可がまだ下りていないから中古自動車を使ったレンタカー事業を経営することができずに、古物商の許可が下りるまでは営業を開始できずに困ってしまうということになりかねません。

レンタカー業の申請とは

ここではレンタカー業、自家用自動車有償貸渡業許可取得の流れについてご説明いたします。

1.許可要件の確認

①人の要件

申請者(申請者が法人である場合はその役員)が次の欠格事由に該当しないことが必要です。

  • ア 1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない者。
  • イ 一般旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業又は自家用自動車の有償貸渡しの許可の取消しを受け、取消しの日から2年を経過していない者。
  • ウ 一般旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業又は自家用自動車の有償貸渡しの監査が行われた日から許可の取消しの処分に係る聴聞決定予定日までの間に、事業又は貸渡しの廃止の届出をした者(当該事 業又は貸渡しの廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から2年を経過していない者。
  • エ 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者又は成年被後見人である場合において、その法定代理人が前記ア、イ及びウに該当する者。
  • オ 申請日前2年前以降において、自動車運送事業経営類似行為により処分を受けている者。

整備管理者の選任

営業所で貸し出す車両が、下記の場合に該当する場合は、整備管理者を選任しなければなりません。

  • 自家用自動車10台以上をレンタカー登録する場合
  • 乗車定員11人以上のバス1台以上をレンタカー登録する場合
  • 総重量8t以上のトラック5台以上をレンタカー登録する場合

整備管理者は次の二つのいずれかの要件をみたしている必要があります。

  • 1級整備士、2級整備士、3級整備士のいずかの資格を保有している方
  • 整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検もしくは整備の管理に関して2年以上の実務経験を有し、地方運輸局が行う整備管理者選任前研修を修了している方

②物の要件

まずは事務所となる営業所が必要です。そして当然ですが貸し出しする車両が必要です。1台でも営業はできます。

レンタカー業に用いることができる車両は次のとおりになります。

  • ア 自家用乗用車
  • イ 自家用マイクロバス(乗車定員11人以上29人以下であり、かつ、 車両長が7m以下の車両に限る)
  • ウ 自家用トラック
  • エ 特種用途自動車
  • オ 二輪車

自家用バス(乗車定員30人以上または車両の長さが7mを超えるものに限る)と霊きゅう車はレンタカーの車両として使用できません。

自家用マイクロバスも注意が必要です。他車種でのレンタカー事業の2年以上の経営実績がないと自家用マイクロバスを扱うことはできません。さらに貸し出しを行おうとする場合はその7日前までに、 車両毎に、その旨を当該車両の配置事務所の所在地を管轄する運輸支局長に届け出なければなりません。

車両を配置する車庫も必要です。営業所から直線距離で2キロメートル以内に全車両が駐車できる広さの車庫を確保しなければなりません。車庫は1ヶ所である必要はなく、数カ所に分かれていても構いません。

③お金の要件

レンタカー業を始めるためには、「資本金がいくら以上必要」「預貯金がいくら以上必要」といった要件はありません。

お客様へ貸し渡す車両について、自動車保険の加入が求められています。下記の補償の自動車保険への加入が必要になります。

  • 対人保険  1人当り 8,000万円以上
  • 対物保険  1件当り 200万円以上
  • 搭乗者保険 1人当り 500万円以上

2.申請書類の作成

提出書類は以下の通りです。

  • 自家用自動車有償貸渡業許可申請書
  • 貸渡料金表
  • 貸渡約款
  • 履歴事項全部証明書 (個人で申請の場合は住民票)
  • 宣誓書
  • 事務所別車種別配置車両数一覧表
  • 貸渡しの実施計画を記載した書類

3.申請書の提出

提出先は、営業所を管轄する運輸支局の輸送部門になります。神奈川県内に営業所を設置する場合は神奈川運輸支局の、東京都内に営業所を設置する場合は東京運輸支局の、輸送部門の窓口へ提出します。

4.運輸支局の審査

運輸支局の窓口で受理された書類は、運輸支局内で書類審査が行われます。この書類審査の期間は概ね1ヶ月となっていますが、申請が多い時期や、書類に不備があって補正が発生すると、審査期間はそれ以上の日数がかかります。

5.許可取得

審査が完了すると、運輸支局より連絡が入ります。許可証の他、登録免許税の納付書などを受領致します。登録免許税(9万円)は銀行などの金融機関で納付し、その領収証書を運輸支局の窓口に提出します。

整備管理者の選任が必要な場合は、整備管理者選任の届出も行います。

6.車両の登録

車両の登録は、営業所を管轄する検査登録事務所で行います。

レンタカー業で使用する車両の登録を行う際は、通常の登録書類に加えて、『レンタカー事業者証明書』という書類が必要になります。この証明書は、登録する車両が、レンタカー事業で使用する車両であることを明らかにするための書類で、レンタカー業の許可取得手続きを行った運輸支局の輸送窓口で取得する書類です。

また、レンタカーの登録の際は、管轄警察署が発行した車庫証明が必要になります。レンタカーナンバー取得登録窓口に行く前に、警察署から取得しておきましょう。

レンタル車両の「わ」ナンバー登録が完了し、営業所内に「貸渡約款」「貸渡料金表」の掲示が完了しましたら、いよいよレンタカー事業の開始となります。

2つの許可の更新

古物商許可、自家用自動車有償貸渡業許可、どちらも更新手続きは不要です。

2つの事業についての記録義務について

①レンタカー業の記録義務

レンタカー業では「貸渡簿」に貸渡の状況を的確に記録しておく必要があり、作成後は少なくとも2年以上保存義務があります。

それと毎年「貸渡実績報告書」と「事務所別車種別配置車両数一覧表」の提出をしなければなりません。

貸渡実績報告書

毎年4月1日から3月31日までの車両を貸し渡した回数や延走行キロ、総貸渡料金などのレンタカー業の実績を報告する書類です。貸渡簿に記載された数値を集計して作成することになります。

事務所別車種別配置車両数一覧表

この一覧表は、毎年度の四半期(6月末、9月末、12月末、3月末)毎の、どこの営業所にどの区分の車両を配置していたかを記載する書類です。車両の区分は「乗用車」「マイクロバス」「トラック」「特種車」「二輪車」の5区分に分かれています。

これらの報告書と一覧表は、毎年5月31日までに提出します。提出先は、主たる事務所の所在地を管轄する運輸支局になります。事務所別車種別配置車両数一覧表は4期分を5月31日までにまとめて提出すれば大丈夫です。

②古物営業の記録義務

古物営業には防犯三大義務があり、その一つに記録義務があります。古物台帳と言われるもので、取引の都度記録をしておかなければなりません。

古物の買受をする場合は相手の本人確認と記録が必要です。買取金額が1万円未満であれば原則は記録の必要はありませんが、次の品目を買取る場合は本人確認と記録が必要です。

買取時 本人確認と記録が必要なもの

  • 1万円未満のバイク(部分品を含む)、ゲームソフト、CDやDVD等、書籍
  • 1万円以上のすべての品目

古物の売却する場合は次の品目を売却する場合のみ記録が必要ですが、本人確認は必要ありません。

売却時 記録が必要なもの(本人確認は必要なし)

  • 1万円未満のバイク
  • 1万円以上の美術品、時計・宝飾品・自動車、バイク

ではレンタカー業のようにレンタルする場合の記録義務はどのようになっているのでしょうか。

古物営業法が盗品等の売買の防止と発見を目的としているので、中古自動車のような中古品を買取る場合はもちろん記録は必要になります。しかしレンタルをするということは返却されますし、売却ではないので貸し出しをするときの記録義務はありません。何度かレンタルした後に売って処分するなどの場合は、売却になるので記録が必要です。

これはあくまでも古物営業についての記録についてであるので、レンタカー業として必要な記録はちゃんと行うようにいたしましょう。

このように古物商許可と自家用自動車有償貸渡業という異なる二種類の許可ですが、上手に取得し、それぞれの義務を果たしつつ、中古車レンタカー業を起動に乗せていけるといいですね。

 

古物商許可の申請代行サービスの活用をご検討中の方には、電話相談初回無料にてご相談を承っております。お困りの方はお電話にてご連絡ください。

ページトップへ戻る