古物商許可について訊く ~行政書士インタビュー~


中古品の売買や輸出を始めるために必要となる「古物商許可」。収集や作成が必要な書類の枚数的には比較的規模の小さな申請手続きですが、様々な業種、業態、地域で幅広く取得されることも多い許可であることから、その手続きには特有の難しさもあるようです。

本日は、東京と神奈川に事務所のある行政書士法人シグマの代表である阪本氏に、古物商許可の手続きについてお伺いします。

本日はよろしくお願いいたします。

阪本:こちらこそ、よろしくお願いいたします。

まず最初に、古物商許可といえば個人から法人まで様々な人が取得する可能性のある営業許可になりますが、行政書士法人シグマさんではどのような層からの相談や依頼が多いのでしょうか。

阪本:私どもの事務所で法人様からのご依頼・ご相談が圧倒的に多いです。この半年間をふりかえると、ご依頼頂いた古物商許可案件は全て法人様でした。法人様でも、上場されている企業様だったり、非上場での事業規模が大きかったり、外資の企業様からのご相談・ご依頼が多いのが当法人の古物商許可案件の特色です。

なるほど、上場企業や外資系企業など、規模の大きな会社から相談を受けることが多いのですね。古物商許可において、そのような企業ならではの手続き上の問題点などはありますか?

阪本:ビジネスモデルに対して古物商許可が必要かどうかの、ご相談から入ることが多いです。事業規模が大きい企業様だと役員が10名以上の場合があったりと、役員様に関する書類の準備に時間を要することが多く、それが許可取得までの日数に大きな影響を与えることがあります。

確かに、個人事業主であれば自分を管理者とすることで1名分のみの書類作成で済みますが、役員の多い会社では書類を集めるだけでもかなりの手間になりますね。

阪本:さらに、社外取締役や社外監査役を選任されている企業様の場合は、書類を集める手間に加えて、総務部や法務部の担当者は絶対に失敗できないというプレッシャーを感じられながら準備を進められています。ですので、我々も確実に必要書類がご準備頂けるような書式を用意していますし、ご案内も丁寧に行っております。

役員に外国在住の役員がいる場合、その辺もなかなか手間のかかる作業になるのでしょうか。

阪本:外国在住の役員がいる場合は、住民票の写しが提出できませんので、住所を証明するために何かしらの書類を提出しなければなりません。この書類は申請先の警察署によって異なりますので、私どもの行政書士が警察署と事前協議を行って、必要な書類をお客様にご案内しております。また、略歴書や宣誓書に自署が必要になりますので、申請準備が円滑に進行するように心がけております。

役員の数が多いと、日本在住役員のみの場合でも申請までのスケジュール調整が求められるところ、外国人役員の場合は書類や情報の往復などで余計に日数を要することも多いのですね。シグマさんでは、その辺のスケジュール管理などはどのような点に気をつけて進めているのでしょうか。

阪本:まず、古物商許可申請手続きに必要書類がいくつかあるのですが、お客様の状況にあわせて、この書類を先に集めてくださいという優先順位をつけてからお客様にご案内しております。営業開始希望日がある場合は、そこから逆算して、「いついつまでにこれをやってください」と工程管理も行っております。さらに、シグマ側の担当となる行政書士を決めるとともに、案件の進行状況は社内システムで管理をして状況がわかるようにしております。申請書類は別の行政書士がチェックを迅速・確実に古物商許可申請が進行できる社内体制を整えております。

 担当者を決めた上で、チームでもチェック体制を設けているということですね。確かに、依頼する側は相談する度に担当者が変わるよりも、一人に聞けば状況がすぐ分かるという態勢が築かれていると安心ですね。ちなみに、相談や依頼を受ける企業というのはどの地域の企業が多いのでしょうか。

阪本:私どもは、新宿と武蔵小杉に拠点がある行政書士のため、本社や古物商を営む営業所が東京23区内や横浜や川崎市内の企業様からのご相談が多いです。法改正前は、営業所があり都道府県ごとに古物商許可申請を行う必要があったので、新幹線に乗って、西や東に走り回っていました。

昔は、営業所を置く都道府県ごとに古物商許可を取得しなければなりませんでしたが、近年はその辺の手続きもだいぶ整頓されて、広域で中古品の売買を行う企業でも許可の申請が行いやすくなったのですね。
ここまで上場企業など大きな企業の申請についてお話を伺いましたが、逆に個人から依頼を受けて古物商許可の申請を行うこともあるのでしょうか。

阪本:個人の方からのご相談・ご依頼は稀にある程度ですが、その場合は武蔵小杉周辺にお住まいの方からが多いです。最近は会社員の方が副業で古物商を始められる方が多く、そのような方々の古物商許可申請手続きを代行いたしました。武蔵小杉オフィスは武蔵小杉駅から徒歩数分の場所にあり完全個室の会議室が所内になるので、お仕事終わりに来所されるのに便利だと好評です。

地元からの依頼もあるのですね。確かに、地元なら顔の見える距離の近い事務所に相談できることはメリットですね。ちなみに個人事業主が古物商許可の申請を行う場合、よく問題になりやすい点というのはありますか?

阪本:営業所として使用される場所の使用権原が問題になりやすいです。自己所有の戸建て住宅でしたら問題になりませんが、自己所有の分譲マンションの場合は管理規約違反にならないのか、賃貸で借りられている自宅を古物商の営業所として使用する場合は、賃貸借契約違反にならないのかという点が問題になります。

営業所として使うことが許されているか、物件についての問題は確かに皆さん気になるところではないでしょうか。ほかに、こんな業界からの相談が増えているなど、最近の動向はありますか?

阪本:古物商というとリサイクルショップや中古車販売店をイメージされやすいのですが、メーカーさんや商社さんからの問合せが多いです。また、レンタカー業を始められたい企業様からの相談が増えてきています。

レンタカーと古物商の組み合わせですか。レンタカーといえばレンタカーの許可を取得しなければいけないのはイメージしやすいですが、中古車をレンタカーに利用する場合の古物商許可については、思い浮かばない方も多いかもしれませんね。
そういった、古物商許可を取り巻くビジネス全般の相談にも乗って頂けるものなのでしょうか。

阪本:ビジネスモデルが古物商営業に該当するかや、古物商許可取得後に、許可を維持するための手続きの相談・代行にも対応しています。

なるほど、ウェブを検索すると行政書士事務所のホームページは多数存在しますが、依頼を検討する場合にはその辺りも注意しながら検討すると良さそうですね。最後に、これから古物商許可を取得しようとする企業や個人に向けて、何かアドバイスがあればお願いいたします。

阪本:古物商許可申請手続きは警察署での手続きのため、他の行政機関の手続きとは違って、少し癖があると感じています。また、郵送やオンラインに対応していない手続きでもあります。当法人では、申請書の作成代行だけではなく、警察署との折衝も事業者様に代わって行っておりますので、自社で対応するのは面倒だな、と感じられましたら、行政書士の古物商許可申請手続き代行サービスの活用を検討して頂ければ幸いです。

本日はありがとうございました。

許可申請の代行に関するご相談
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電話受付 平日9:00~18:00
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