古物商営業を行う営業所の変更届出手続き

2020年4月1日に古物営業法一部を改正する法律が施行されました。

それに伴う重要な改正点のひとつとして営業所の変更届出手続きのルールが大きく変更になりました。

このページでは、古物商を営まれている方が、営業所に関する事項を変更される際の警察署への届出手続きについて解説いたします。

変更内容の事前届出と事後届出

古物営業法に基づく届出手続きには2種類あります。

一つは、変更事項が生じる前に警察署へ手続きを行う「事前届出」です。もう一つは、変更事項が生じた後に警察署へ手続き行う「事後届出」です。

事前届出

2020年4月1日の法改正によって、新たに事前届出の制度が始まりました。

変更事項が生じる前に届出を行わなければならない場合があります。

事前届出が必要な変更内容は、営業所等の新設、廃止、移転、名称変更、主たる営業所等とその他の営業所等の区分に関する変更についです。

これらの変更は、変更日から3日前までに届出る必要があります。

いくつか例を見てみましょう。

ア  複数の営業所があり、主たる営業所を別の営業所に変更したい場合
イ  営業所を新設、廃止したい場合
ウ  営業所の名称を変更したい場合
エ  営業所の所在地を県内・県外問わず移転したい場合

事後届出

事後届出は、法改正前と同様です。

つまり、許可証の書換が生じる場合の変更内容に加えて、役員の変更などが事後届出が必要となります。

事後届出の提出期限は、変更から14日(届出書に登記事項証明書(登記簿謄本)を添付すべき場合にあっては20日)以内になります。

許可証の書換

許可証に記載のある事項(営業者の氏名又は名称、住所又は居所、法人の代表者の氏名、住所、行商する・しない)が変更になった場合

変更届出

許可証の書換を伴う変更の他、役員及び管理者に係る変更、営業所で取り扱う古物の区分の変更、ホームページを利用して取引を行う届出(開設・閉鎖)、URLの変更等

事前届出・事後届出の2回必要な場合

変更内容によって、事前と事後の2回届出が必要な場合があります。この場合、最低でも2回は警察署へ出向く必要があります。

例1:営業所を新設する場合

営業所の新設は前述のとおり事前届出で行います。そして営業所には管理者の選任が必要になります。その管理者選任の変更届出は事後届出になります。従いまして営業所を新設する場合は、事前と事後の計2回の届出が必要になるのです。

1回目の届出は、営業所新設の3日前に、その他の営業所新設に関する変更届出書を提出します。そして2回目の届出は、営業所が新設された日から14日以内に、管理者を選任する変更届出書を提出しなければなりません。

営業所の新設ではなく、営業所の移転に伴い管理者が変更になる場合も2回の届出が必要です。

例2:法人の名称・所在地及び営業所の名称・所在地が同時に変更になる場合

営業所の名称、所在地に関しては事前届出で行います。そして法人の名称、所在地の変更(許可証書換)に関しては事後届出になります。

1回目の届出は、変更日の3日前に、営業所の名称・所在地に関する変更届出書を提出します。そして2回目の届出は変更日から14日以内に、法人の名称・所在地の変更届出書を提出しなければなりません。

個人の古物商で住所と営業所が同じ所在地である場合、住所が変更になると同時に営業所の所在地も変更になります。よって同様に事前と事後の2回の届出が必要になります。

実際の届出方法

上記の例1と例2でご紹介した届出方法をさらに詳しく解説いたします。

例1:営業所を新設する場合

事前届出の手続き

1.必要書類
事前に届け出る書類は、『変更届出書』(別記様式第5号)です。
各都道府県の公安委員会のホームページからダウンロードできます。

『変更届出書』を届け出るときに、証明書など添付書類は不要です。

2.提出先
主たる営業所の所在地を管轄する警察署に届け出ます。

その他の営業所の所在地を管轄する警察署でも手続きはできますが、念の為事前に確認をとってから行うようにしましょう。
営業所のない場所を管轄している警察署では、手続きできません。

3.期限
営業所を新設する3日前までに、『変更届出書』を届け出ないといけません。

4.手数料
『変更届出書』を届け出るのに、手数料はかかりません。

事後届出の手続き

1.必要書類
事後届出に必要な書類は、『変更届出・書換申請書』(別記様式第6号)です。

この場合の変更は管理者選任の変更届出になるので、管理者に選任される方の下記の書類が必要になります。

  • 住民票(本籍地が記載されたもの)
  • 身分証明書(本籍地の役所でもらう書類)
  • 誓約書
  • 略歴書

なお、別の営業所の管理者として選任していた方が異動する場合など、すでに管理者として警察署へ届出を行っている方へ変更する場合は、最初の管理者に選任する段階で必要な添付書類が提出されているので、上記の4つの書類は不要です。

管理者の証明書類が必要となるのは、初めて管理者になる方が選任される場合のみです。

2.提出先
営業所を新設したら、書類を基本的には、主たる営業所の所在地を管轄する警察署に提出します。

その他の営業所の所在地を管轄する警察署でも手続きはできますが、念の為事前に確認をとってから行うようにしましょう。
営業所のない場所を管轄している警察署では、手続きできません。

例2:法人の名称・所在地及び営業所の名称・所在地が同時に変更になる場合や個人の住所及び営業所の所在地が同時に変更になる場合

事前変更の手続き

1.必要書類
事前に届け出る書類は、『変更届出書』(別記様式第5号)です。
『変更届出書』を届け出るときに、証明書など添付書類は不要です。

2.提出先
主たる営業所の所在地を管轄する警察署に届け出ます。

その他の営業所の所在地を管轄する警察署でも手続きはできますが、念の為事前に確認をとってから行うようにしましょう。
営業所のない場所を管轄している警察署では、手続きできません。

3.期限
営業所を新設する3日前までに、『変更届出書』を届け出なければなりません。

4.手数料
『変更届出書』を届け出るのに、手数料はかかりません。

事後変更の手続き

1.必要書類
事後届出に必要な書類は、『変更届出・書換申請書』(別記様式第6号)です。

この場合は法人の名称・所在地変更の届出ですので、下記添付書類が必要です。

  • 履歴事項全部証明書
  • 古物商許可証

個人の古物商の住所変更の場合の添付書類は下記になります。

  • 本籍(外国人の方は国籍等)が記載された住民票の写し
  • 古物商許可証

2.提出先
許可証の書換申請ですので、主たる営業所の所在地を管轄する警察署に提出します。

3.期限
営業所を新設した日から14日以内に、変更届出の手続きを行わないといけません。
ただし、法人の履歴事項全部証明書が必要になる場合は、期限が20日以内です。

4.手数料
書換申請の手数料は1,500円かかります。

事前届出の期限「3日前」とは

事前届出は変更の日の「3日前」までに所轄警察相へ変更届出を提出する方法で行います。

この「3日前」というのは、中3日を設けるという趣旨です。

例えば、変更日が2021年7月16日金曜日であれば、届出は7月12日月曜日までにしなければなりません。また、3日前の日が土日祝日である場合は、その直前の開庁日となります。2021年7月15日金曜日が変更日であれば、中3日を設けると11日ですがその日は日曜日ですので、その直前の開庁日である9日金曜日までに届出なければならないことになります。つまりタイミングによっては、1週間前までに届ける必要があるということです。

通常、新店舗開店日や営業所の移転は、物件の準備などで事前に変更日が決まっている場合がほとんでしょう。

届出が遅れると予定の日に開店できない自体に陥る可能性もありますので、前広に届出の準備を進めて、「3日前」まで確実に届出できるようにしましょう。

事後届出の「変更があった日」

起算日である「変更があった日」とは変更の事実が発生した日ですので、例えば、役員の交代があった場合、現在の役員が3月31日に辞任し、新たな役員が4月1日に就任した場合は、それぞれの「辞任日」と「就任日」が「変更があった日」となります。「登記日」や「変更登記が反映された新しい登記事項証明書を取得できた日」などではありませんのでご注意下さい。

届出を行わなかった場合のペナルティ

変更届出を行わなかった場合は10万円以下の罰金に問われる可能性があります。

古物営業法第35条

次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の罰金に処する。
一 第七条第一項、第二項若しくは第四項若しくは第十条の二第二項の規定に違反して届出書若しくは添付書類を提出せず、又は第七条第一項、第二項若しくは第四項若しくは第十条の二第二項の届出書若しくは添付書類に虚偽の記載をして提出した者

罰金だけでなく、変更後に届出を行わずに所在不明になると許可を取り消される可能性まであるのです。

公安委員会は古物営業に関して違法行為を行った場合に加えて古物商等が法第6条に定める事由に該当することとなった場合には、許可を取り消すことができるとされています。

その事由とは、

  • 不正な手段で許可を受けた場合
  • 古物商、管理者、役員等が欠格事由に該当することとなった場合
  • 許可を受けても営業をしていない場合
  • 古物商又は古物市場主が所在不明の時や営業所又は古物市場の所在地が不明な時

と、なっています。

古物商の許可は、「許可を取り消される」や「廃業等により許可証を返納する」といった事由があるまで効力を有します。

しかし、古物商等が廃業しているにもかかわらず、許可証を返納せず、また、所在地等の変更届出を行わないまま所在不明になるケースが見受けられ、こうした所在不明の古物商等の許可は、許可証が悪用されるおそれがある等から、迅速な取り消しが必要でした。

旧古物営業法でも3か月以上所在不明である古物商等の許可を取り消すことができることとされていましたが、実際には、古物商等が3か月以上所在不明であることを立証し、さらに聴聞を実施する必要があるなど、迅速な取り消しを行うことができませんでした。

そこで、今回の法改正により、公安委員会は公告から30日経過しても申し出がない場合は、聴聞を実施できないことが明らかなため、聴聞を経ずに取消しを行うことが可能となりました。

このように、営業所の変更などがあり届出を怠っていた場合には罰金に処される可能性もあり、所在不明となってしまった場合には許可が取り消されることまでありますので、そうならないためにも、変更の届出は期限内に行うように心がけましょう。

営業所変更手続きと行政書士

古物商を営む営業所の変更手続きは、ここまでご説明した内容と重複しますが、警察署へ2回出向く必要があり手間がかかります。また、事前届出は3日前までに行う必要があったりと、届出手続きのスケジュール管理に失敗してしまうと、移転後の営業開始日が遅れることになってしまいます。警察官とのやりとりが苦手という事業者さんもいらっしゃるのではないでしょうか。

営業所変更手続きであっても、行政書士がその手続きを代行することが可能です。

行政書士に手続きの代行を依頼すると、書類作成の手間か開放されるだけでなく、スケジュール管理や警察署への届出代理まで行うことができますので、事業者様は、行政書士とやりとりをすれば、警察署への変更届出手続きを完了させることが可能です。

届出費用は、主たる営業所が東京都都内・神奈川県内にある事業者様には、55,000円(税込)~にて承っております。

古物商の営業所変更手続きでお困りでしたら、行政書士法人シグマまでご依頼ください。

 

 

古物商許可の申請代行サービスの活用をご検討中の方は、お電話でご相談ください。

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