古物商許可における法人(会社)の事業目的

会社(法人)で中古品売買の事業を行うために古物商許可を取得するときは、会社の事業目的(定款や登記事項に記載されている目的)に、古物商を営むことを確認できる程度の一定の文言が入っていることが求められます。

古物営業に関する一般的な事業目的

古物商を営む目的としては、たとえば抽象的・一般的に

  • 古物営業法に基づく古物商

といった文言になります。

この一般的・抽象的な事業目的が登記情報で確認できれば、古物商許可の申請は受理されるケースがほとんどです。

古物営業に関する具体的な事業目的

もっとも、上記の一般的な事業目的に加えて、これから会社を設立して登記する場合には、主に取り扱う中古品の品目についてより具体的に

  • 中古自動車の買取、販売及び輸出入

という事業目的も合わせて1つ記載しておくほうが、古物商許可申請上はスムーズに進むことが多いと思います。

またあわせて、御社の登記簿謄本を取得した取引先企業も、何の事業を行っている会社なのか把握しやすくなります。

「買い取り」「買取」だけや「販売」だけでは不十分

このとき気をつけていただきたいのは、単語として「買取」だけでなく「販売」も入っていること、つまり事業目的には売るほうと買うほう、両方を入れることが重要である点です。

どちらか一方でも古物商許可の申請を受理してもらえることもありますが、売買両方が揃っての「古物商」と認識している警察署も多いことから、販売と買取は併記するほうが無難です。

事業目的に古物商を営む文言があるか確認する方法

ところで、「事業目的は何を見れば確認できるのですか?」というご質問をよく頂戴します。

ご自身で会社を設立された代表者の方であれば自明のことですが、古物商許可の取得を任された社員さんなどの場合には、このあたりも何を見て確認するのかわかりにくいことがあるかもしれません。

会社の定款

第一の確認方法は、会社の定款です。会社の根本規則である「定款(ていかん)」を確認できれば、そこに事業目的が記載されているので確認可能です。

通常、第2条や第3条など、かなり冒頭のほうに規定があるはずです。

一点、注意が必要なのは、会社で保管している紙の定款はかなり昔の定款であり、現行の定款内容は既に何度も株主総会等で書き換えてしまっているケースも多々あります。紙の定款で事業目的を確認するときは、最新の定款内容であるかどうかもしっかり確認するほうがよいです。

会社の登記事項証明書

定款がすぐ確認できないとか、会社設立当初の定款はあるものの現在は内容がかなり異なっているので参考にならないという場合は、法務局で会社の登記事項証明書(古物商許可では履歴事項全部証明書)を取得することで、会社の現在の事業目的が確認できます。

一般的には、この方法で確認してしまうのが早く正確です。

登記事項証明書は、誰が法務局出張所に行っても書類に必要事項さえ記入して数百円払えば取得できます。また、今は大抵の法務局がオンラインで繋がっていますから、会社最寄りの法務局でなくとも、通常は住んでいるところや働いているところから一番近い法務局で取得することが可能です。

事業目的に古物商を営むことが確認出来ない場合

定款や履歴事項全部証明書に古物商を営むことや、中古品を売買することが確認出来ない場合は、古物商許可を申請するために2つの方法があります。

 目的追加の変更登記をしてから申請する

一つめの方法は、会社の登記に古物商を営む目的を追加してから申請する方法です。

この場合、変更登記の申請を法務局に提出してから、変更後の登記事項証明書が取得できるようになるまで、約1週間から10日程度かかるのが通常です。そのため、できる限り古物商の営業を早期に始めたいという場合は、次の確認書を使う方法を使うほうがよいでしょう。

目的変更の登記を行ってから申請する方法がおすすめなのは、他に役員や本店所在地の変更など、別の変更登記も必要となる場合です。そのようなときは、どちらにしても会社の現状に登記を合わせなければ、申請自体が受理してもらえません。

登記情報のすべてが現在の状況を反映する内容に修正する過程で、一緒に目的変更も行ってしまうのが便宜上スムーズになります。

古物商許可申請時は確認書を利用する

二つめの方法は、確認書というものを添付して古物商許可を申請する方法です。

確認書というのは、「現在、事業目的に古物商を営む内容が含まれていませんが、この後すぐ諸手続を行って追加します」という内容を確認して代表取締役印を押印する書面で、これを同時に添付しておくことで、ひとまず古物商許可を受理してもらうことが(大抵の場合は)可能になります。

古物商許可の申請時に確認書を添付するメリットは、ひとまず古物商許可の申請書を受理してもらうことで、手続きを先に進めながら(つまり警察署の審査を多少進めてもらいながら)その間に目的追加の登記などを行えることです。

事業目的の追加と古物商許可でお困りの方へ

古物商許可を取得するにあたり、事業目的の追加が必要という場合には、当事務所で両方を合わせて手続き代行を承ることもできます。お悩みの会社様は、一度ご相談いただければと思います。

必要と思われる適切な事業目的を迅速・性格に追加するとともに、並行して古物商許可の申請をスムーズに行います。

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