本店を移転した際の手続き|登記簿謄本と古物商届出の期限ルール

記事の執筆・監修:行政書士法人シグマ
行政書士法人シグマは、会社(法人)様を対象にした、古物商許可を含む営業許可に関する許認可法務サービスを取り扱っております。

法人の本店所在地を移転した際、法務局での変更登記とは別に、「古物商許可」の変更届出が必要です。

多くの方がここを最も間違いやすく、また警察からの指導が入りやすいのが、「法人の移転」と「営業所の移転」を混同してしまうケースです。

1. 法人としての所在地変更は「事後20日以内」

商号や本店所在地など、登記事項に変更があった場合は、変更日から20日以内に届け出なければなりません。

ここで注意すべきは、期限のカウントは「登記が完了した日」からではなく、履歴事項全部証明書(謄本)に記載される「変更日(実際に移転した日)」から始まるという点です。

2. 「営業所」の移転は「3日前まで」の事前届出

もし本店移転に伴い、実際に古物営業を行う「営業所(店舗や事務所)」も移転させるなら、ルールが大きく変わります。 営業所の移転は、移転する日の「3日前まで」に届け出を完了させなければなりません。

つまり、「引っ越してから報告すればいい」という考えは通用しません。新住所で営業を始める前に、あらかじめ警察署へ届け出ておく必要があります。

3. 「本店=営業所」の会社様が陥る罠

「本店と営業所が同じ場所にある」という会社様の場合、一つの引っ越しに対して「事前の届出(営業所移転)」と「事後の届出(法人所在地変更)」という、期限もタイミングも異なる二つのルールが同時に適用されます。

  • 営業所の移転として: 引っ越しの3日前までに届出(事前)

  • 法人の変更として: 登記完了後、移転から20日以内に届出(事後)

「登記が終わってからまとめて報告すればいい」と思い込み、事前の届出を怠ってしまうと、移転先での営業が一時的に「無届け営業」とみなされるリスクがあります。

このスケジューリングのミスで、知らず知らずのうちに「法令違反」となってしまうケースが後を絶ちません。

ありがちな誤解

「本店だけ移転したから、届出は不要」ではない

登記上の本店所在地が変われば、許可証の記載内容を変更するための「書換申請」が必ず発生します。

「20日以内なら余裕」という思い込みは危険

登記完了までに10日〜2週間ほどかかることも多いため、手元に謄本が届いたときには残り数日しかない、というスケジュールになりがちです。最近は法務局の法人部門の審査が長期化する傾向があるので注意です。

手続き確認のステップ

  1. 「履歴事項全部証明書」に記載される移転日(予定日)を確認する。

  2. 移転に伴い、古物を扱う「営業所」の場所も変わるかどうかを明確にする。「営業所」も移転するならば、移転日の3日前までに管轄警察署へ営業所移転届出手続きが完了できるよう予定を組む。

  3. 登記完了予定日を把握し、そこから数日以内に管轄警察署へ行けるよう逆算して予定を組む。

本店の移転は、会社法上の登記だけでなく古物営業法上の義務も伴います。届出の書式を作成をするのは難しくないかもしれませんが、営業所を移転する場合は事前届出が必要であることを覚えておいてください。

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